高等裁判所で仮執行宣言付きの請求額の満額が認められた
被害者勝訴の判決が出た翌日、原田文雄司祭は日本聖公会聖
光教会牧師と学校法人聖光幼稚園の園長兼理事長を辞任し、
日本聖公会京都教区の金沢聖ヨハネ教会に転任した。しかし、
ここには途轍もない陰謀が隠されていた。この辞任劇に先立っ
て聖光幼稚園の園長職辞任に対する退職金の支給が理事会で
決定されていた。この金額が、高等裁判所が出した判決にあ
る慰謝料+裁判費用(推定)に合致するという。
原田文雄司祭が慰謝料を請求されたのは、女児に対する性
的虐待行為だ。それも、少なくとも6年間にわたって行われ
ている。しかし、その後も現在に至るまで原田文雄司祭は、
その性的虐待行為を「事実無根」としているが、他の5名の
被害者のうち、4名に対しては加害行為を認め、謝罪文を書
いていると日本聖公会京都教区は正式文書で発表している。
にもかかわらず、日本聖公会京都教区は退職金の返還を要求
していない。金沢聖ヨハネ教会を昨年辞任したのは、「懲罰
解雇」ではなく「依願退職」による退職だったからだと考え
ているのだろうが、その「依願退職」を撤回し「懲罰解雇」
にすれば、それで事は足りる。
ここまで京都教区の過ちが露見しているのに、何故日本聖
公会の管区は沈黙しているのか。末恐ろしいことだ。性的虐
待というのは、刑法では「準強制わいせつ」に当たることだ。
「姦淫」こそ行われていないが、それ以上に惨いことが行わ
れていた。被害者が裁判所に提出した訴状や控訴理由書を読
めばすぐに理解できる。拙者のところにも鞍馬天狗の『閲覧
メモ』が回ってきた。相変わらず字は汚いが、内容的には核
心的な部分をメモしてきている。そして、高等裁判所は控訴
理由書に対する加害者側の反論をすべて退けている。つまり、
原田文雄司祭による性的虐待行為は確実にあったということ
を裁判所が認めていると理解できるだろう。それだけではな
い。他の4人の被害者に対する行為を原田文雄司祭は高地主
教らの前で認めているのだ。
日本聖公会京都教区は何故、退職金の返還要求をしないの
か。理由は何なのか。誰がどう考えても、退職金の支給はあ
り得ないだろ。支払っていたとしても、退職前日に高等裁判
所の判決が出ている。勿論、上告するかしないかによって異
なるが、上告しなければそのあと短い期間で判決が確定する。
そして、上告して最高裁判所の判断が出るまでは、どうなる
かは判らない。しかし、常識的にはあの時に一旦退職金の支
給を留保すべきだったのではないのか。京都藩の藩主がどう
考えるか見物だな。何しろ、聖光幼稚園は学校法人だ。宗教
法人ではない。県の監督指導が及びやすい。